特別企画展「双燈社 版画のまちの誕生」(終了しました)

小口作太郎 タイトル不詳(双燈社作品集40より)

小口作太郎 タイトル不詳(双燈社作品集40より)

岡谷市は昭和30年代には「版画のまち」と呼ばれ、現在でも学校教育や地域の文化活動を通して、子どもから大人まで版画に親しむ土壌が生きづいています。その礎となったのは、版画においても多くの功績があった童画家 武井武雄が有志と協力し、終戦直後の1946(昭和21)年、故郷の岡谷市西堀(にしぼり)で創立した文化団体、双燈社です。双燈社の目的は、人々のすさんだ生活を物心両面で豊かにしようというもので、「文化とは、精神文化と物質文化の二つのともしびから成り立っている」 という理念と、会の拠点となった廣圓寺(こうえんじ)本堂にあった2本の灯篭にちなんで名づけられました。会の活動内容は、講演会やオーケストラ演奏会、手作りの雛人形の講習会、版画展や版画講習会、遠足など多岐にわたりました。
そのなかで、10年以上と最も長く、充実して活動したのが、武井を講師とする版画部会です。この会は、年に4回ほど各人が作品を持ち寄り、武井の講評を受ける、という形で行われました。毎回、作品集が作られ、それは100号にも及びます。その間には、版画家の恩地孝四郎や平塚運一・山口進、童画家の初山滋、彫刻家の石井鶴三・矢崎虎夫らを講師に招くなど、一流の芸術家と交流する機会も設けられました。
版画部会からは、武井吉太郎・小口作太郎など優れた作家が輩出、そのうち増沢荘一郎は学校教育に版画を取り入れ、全国的な展開を見せました。
本展では、版画部会作品集のほか、主な会員の大型版画作品を展示いたします。困難な日々にも希望を見いだし、いきいきと芸術を楽しむ会員たちの姿を感じていただければ幸いです。

会期:2020年1月9日(木)~3月1日(日)

 

◆関連イベント
2月9日(日) 午後1時30分~

●講演会「西堀風土記 問わず語り―双燈社の文化活動」(申し込み不要、要入館料)
講 師:八幡兵吉氏

岡谷市出身。市内の企業で製造業に長年携わるかたわら、地域の自然・歴史・文化を学び、地域を再認識する「郷土学」の観点より、双燈社をはじめ、多くの文人・芸術家を輩出した西堀地区の風土を調査している。

 

2月22日(土) 午後1時30分~

●学芸員によるギャラリートーク  (申し込み不要、要入館料)

 

2月23日(日) 午後1時~

●信濃刀画の会ワークショップ「エコで楽な木版画を」(要申し込み、別途参加費)

講 師:清澤亥之吉氏(信濃刀画の会講師)

 

開館時間 午前10:00~午後7:00
休館日  毎週水曜日、祝日の翌日
特別企画展
入館料:大人520円(370円)、小・中学生260円(160円)
※( )は10名以上の団体料金
※諏訪郡内在住・在学の小・中学生、岡谷市内在住・在学の高校生は無料